施設介護から訪問(在宅)介護になって変わったこと

私は以前、特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどの介護施設で働いておりました。
そして現在は、訪問介護の介護職員として働いております。
その環境の変化により、ヘルパーとしての仕事内容も大きく変化し、違いを多々感じています。

まずは、施設勤務であればヘルパー側がホーム(慣れた場所)で働けることです。ヘルパーのいる場所に入居して頂き、その施設のヘルパーの支援が基準となるので、他との違いを指摘する入居者様はほぼおられませんでした。
ヘルパーとしては介護スキルの向上のために、他の方の支援を見れるのでありがたい環境だと思います。
施設は、仕事内容としては1日に決まった業務を流れ作業のようにこなす日々のように、(あくまでも私個人はですが)感じていました。
入居者様に何か容態等の変化があれば、お役に立ちたいとは思いますが、その場合は看護師の方が対応され、ヘルパーがお手伝いすることができず、寂しく感じます。
ですから、そういった際にお役に立てない分、入居者様とお話をする時間やレクリエーションを精一杯笑って楽しんで頂こうと思って努力していました。

現在は訪問介護ヘルパーになり、ヘルパー側が完全にアウェー(不慣れな場所)な状態で働くようになり、正直なところあまりの違いに驚きました。
利用者様のお宅にお邪魔し、信頼関係の構築を図りながら時間内に支援を行い記録も書く。
今までと真逆に感じました。

そして自分と利用者様が1対1の状況。
周りにヘルパーはいないので何をするにも判断し責任も大きくなったと思います。
ご容態に変化があった時、緊急時などにも、しっかりと的確に対応することが大切であると身が引き締まりました。

ご自宅には家族様もおられることもあるので、生活のお邪魔にならないように、でも親しみをもってもらえるようにと、とても気を遣いながらの支援には緊張します。

そして利用者様はもちろんのこと、次に支援に入るヘルパーの方のことも考えて支援しないといけないと思いました。

利用者様から頂くお金は自分の提供したサービスへの対価だと思いますので、これから先も利用者様にご支援をさせて頂くにあたり、施設介護で培った介護スキルをフルに使い利用者様の残存能力を活用しつつ、ご要望を可能な限りでお応えし信頼関係を持てるヘルパーになれればと思います。

また、利用者さまの隣に寄り添って常に自分の行える最高の支援を提供できればと思います。

小さな積み重ね

小さな積み重ねヘルパーの仕事には、利用者様のオムツを交換をするというものがあります。
介護の仕事に就くまでは、オムツの交換などはしたことがありませんでした。

しかし、ヘルパーを始め色々なご支援を行うようになると、オムツを交換するご支援に入る機会もでてきました。
当然、研修をうけ練習もしていましたが、実際に利用者様のお体にふれオムツを交換するとなると、他のお体に触れて行うご支援とはまた違い、改めて身体に触れる支援は力加減や位置の微調整が難しいと感じました。
利用者様のお体に触れる衣服やオムツは、少しのズレでも利用者様にとっては気になるものです。

私も汗で服がくっついてめくれてくると気になって、すぐに直します。
私が通っていた中学校には何度もズボンを上げなおす先生がいて、その回数を数えて退屈な授業(他の授業は真面目にうけていました。本当です。)の時間を過ごしたりしたこともあります。

そのくらい誰でもズレは気になるものなのだと思います。
しかし、身体的に不自由がある方は、すぐには直せないですからいつまでも辛い思いをしないといけません。

私たちヘルパーはそんな利用者様のために、できるだけ早く気づいて直してあげたいと思います。
そして、オムツを履いたり服を着たりした時点で可能な限りズレにくいところに合わせてあげたいと。

そのために私は、自分が支援を受けている側にたつイメージを持つことにしています。
自分の股に清拭もしくはオムツを当てている意識をもってご支援をおこなっています。
例えば、清拭であれば力の向きによって痛かったり力加減を考えたりしていますし、お風呂で股を洗う時にどんな風に洗っているかをイメージし、それと同じように利用者様への清拭をしています。

オムツの位置であれば、パンツがしっくりきていない時にどんな風に引っ張って調整するかをイメージし、それと同じように引っ張るようにしてます。
清拭をするときに利用者様を傷つけることを気にして力が入れられず、「もっと強く拭いて」と言われるようなこともありましたが、自分の身に置き換えイメージをもつことで、適切な力で清拭ができるようになるように思います。

そして、イメージの精度を上げていけばまだ十分に拭けていないところが支援者もかゆく感じ、利用者様の感覚により近づけるようになると考えています。

また、普段は自然としている動作を再確認することも、身体介護の技術をあげることに役に立つと思います。
例えば、家で自分の頭を洗う時に指のどのあたりを使っているのか、どこからどういう風に洗っているのかの動作の確認をすれば、それが利用者様の洗髪をするときにただ洗髪をするだけにとどまらず、より利用者様が快適に頭を洗ってもらえるようになると思います。
ズレを直すことは支援の流れからみると小さいことで手間がかかることかもしれませんが、それをしっかりできるかどうかで利用者様の満足度が変わってくると思います。

そしてこのことは、利用者様が望んでおられるが利用者様からしたら細かい点で要望を伝えにくい点でもあると思います。
だからこそ、こういった細かいところで工夫をしているヘルパーと、そうでない支援者とでは知らず知らずのうちに差ができていくと感じています。